三日月レモンのちょこっとエッセイ

絵や絵本を描いて暮らしています。日々の思い、感じたこと、体験したこと、過去のこと、そんな何気ないことを書き綴っていきます。

キャスト時代③厳しすぎた頭髪検査

ブログ生活9日目

 

昨日ディズニーシーでクリスマス短期アルバイトに採用され、その配属先が「マクダックスデパートメントストア」「スチームボートミッキー」「クリスマスゲームワゴン」の三つに決まったという話を書いた。

今日のブログはその続きからである。

 

入社日までの期間、期待と不安の入り混じったような気持ちで過ごし、染めていた髪を黒に戻したりしていた。

そう、ディズニーは茶髪禁止なのだ。

結果、真っ黒にはならなかったが、黒とこげ茶の中間くらいには戻せた。

見た目には全く黒髪だったし、光の下ではちょっとこげ茶に見える程度だった。

「よしよしこれで大丈夫だね」

 そして準備万端で入社式当日を迎えた。

 まず当日は、入社式以前、会場に入る前にセキュリティーチェックのように、外で頭髪チェックが行われる。(何度も書いているがあくまで10年前のことということを忘れないでほしい。)

オリエンタルランド本社に着くと入社式を迎える人が頭髪チェックの列をなしていたので、私もその列に加わった。

ほとんどの人が少し緊張した面持ちで前の人の動向を落ち着きなく見ていたが、私はランドでの経験もあり、この後何をするか一日の流れがわかっていたため誰よりも気の抜けた顔でのんきに待っていた。

そしてついに私の頭髪チェックの番が回ってきた。

私は全く何の緊張もしないで、次の入社式のことや、「どんな人と知り合えるかな~」「いい配属先だといいな~」「同期の子は何人くらいいるかな~」と言ったことを考えていた。

・・・・しかしやけに時間がかかるのである。

前の人なんてものの10秒くらいで終わったのに、私のはやたら眺めまわしているのである。

「嫌だね、さっさと終わらせてよ、寒いじゃん」と内心思ってた。

すると係の人が衝撃的な言葉を口にした。

「不合格です。今日は入社できませんので、また後日お知らせを送りますので、それまでに髪を直して入社しなおしてください」と。

「ハ・・・?」

 私は理解するのに時間がかかった。

え?何?帰れってこと?今日は入社できないってこのまま帰れってこと?

「か、髪ダメですか・・・?」

ようやく出た言葉だった。

「ダメです。少し茶色いですね」

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 何となく場が静まり返り、並んでいる子たちにジロジロ見られながら恥ずかしい気持ちでその場を後にした。

あんなに緊張のかけらもなく並んでいた自分が今となっては死ぬほど恥ずかしかった。

ランドの時は一発OKだったし、いざ中で働くとみんな言うほど真っ黒ではなかったし、地毛が茶色い方もいたから100%大丈夫だと思っていたからよりショックだった。

11月の木枯らしが吹く中私は舞浜駅へ戻り、何しに来たんだかわからない心境で1時間半かけて自宅に帰った。

朝早くから舞浜まで行き知らないおっさんに髪を見せただけ。

なんという一日だろう。

あまりにも早い娘の帰宅に母も驚いていた。

「え?どうしたの?」

「髪だよ・・・色ダメだってさ、また戻して別の日に来いってさ・・・」

「えー!それでダメだなんて一体どれだけ黒くしなきゃいけないのよ」

 まさに私が一番言いたかったことを母がズバリ言ってくれた。

「そうなんだよ!私なんかより全然明るい子もいたんだよ?ちょっと厳しすぎるよ」

そうなのである。私より明るい子も実際にはいたのだ。

私はその子を見て「あの子大丈夫かなぁ」と思っていたのに、普通に合格だったので私の中で線引きがされて、自分は大丈夫というさらなる確信を持っていたのだ。

いまだにあの時の基準がわからない。

と言っても終わったことだ。仕方がない。

私は再び黒色のカラーリングをして次の入社式に備えた。

そして2回目の入社式当日、1回目より謙虚な気持ちで多少の緊張感と、今度もダメだったらという不安を持ちつつ挑んでいった。今度は一発OKだった。

「緊張感のない顔をしてたのが良くなかったんかなぁ」と今度は必要以上にヘコヘコして入社式の会場へ向かって行った。

 

 今日のお話はここまでにします。シーでのことを書こうとしましたが、頭髪チェックのことを思いだして書いてしまいました。

明日は入社式からのことを書きます。

今日も読んでくれてありがとうございます!