三日月レモンのちょこっとエッセイ

絵や絵本を描いて暮らしています。絵本作家になって作品を作り続けることが目標です。日々の思い、感じたこと、体験したこと、過去のこと、そんな何気ないことを書き綴っていきます。

さらなる仕事と終電生活 キャスト時代その4

 

ブログ生活10日目

 

昨日ディズニーシーの入社日に頭髪チェックで不合格となり帰宅を余儀なくされた話を書いた。

そして髪を再び黒く染めなおし、今度は炭のように真っ黒な頭で二回目の入社日に挑み、無事に頭髪チェックを突破できたところまでを話した。

今日はその続きである。

 

入社式はランドで一度受けた通りの内容で、別段目新しいこともなく順調に進められていった。

ところが、休憩時間に何気なく話した女性と、運命的にも同じ配属先であることがわかり、1人じゃないという不安がなくなって心強く思えたのを覚えている。

彼女は山口さん(仮名)といい、山口さんは突然私にこんなことを打ち明けてきた。

 

「私実はパークの外でも働いているんです」

 

一瞬なにかわからなかった。

 

「パークの外ってキャストとしてってことですか?」

警備の仕事とかなのかなと思った。

 

「あ、いえ、キャストではないんですが、ディズニーが提携している近隣のホテルにお客様を送迎するバスがあって、そのバスの地上員をやっています。バス停に立っている案内係みたいなものです」

と山口さんは説明してくれた。私は感心した。

 

昼間パーク内で働いて、夜はパークの外でバスの案内係やっているなんてすごいなぁと思った。

 

「よかったら三日月さんもやってみませんか?今人員を募集しているんです」

 

ビックリした。まさか仕事のお誘いを受けると思わなかったので、私の頭の中ではいろいろな思いと考えが一気に駆け巡った。

 

まず第一に二つもできるかということ。

しかし大学に行くまで稼げるだけ稼ぎたいと思っていること。

そして知っている人(山口さん)がいて、その子はパーク内でも同じ配属先なので、心強いし、何もかも一人で始めるより不安は少ない。

それにパークの外だから掛け持ちするには利便性がいい。

 

私はだんだん自分の中でやりたい気持ちが勝ってきていることに気が付いた。

それから山口さんにもっと詳しい仕事の内容を聞いた。

聞くと全く難しい仕事ではない。

山口さんもちょっと前に始めたばかりらしく、仕事はすぐに覚えられると太鼓判を押してくれた。

 

出勤時間は18時からで、終わりは23時。

その間に定刻通りに来るバスに、ホテルの泊まり客を乗せるというものだった。

22時ごろまではバスは1時間に1本あるかないか。

それまでは休憩所で休んでていい。

22時から23時はバスのラッシュで、つぎからつぎへと来るお客様を間違えずに宿泊しているホテルのバスに乗せる。

その1時間さえ集中していれば仕事は終わる。

終電に乗らなければならないが、何とか家に帰れるのである。

実質、忙しいのは1時間だけで、18時〜22時までは一応いるだけ。

休憩も1時間あるし、ハードな仕事ではないことがわかった。

重要なのは「お客様を違うホテルのバスに乗せないこと」。

これさえ間違えなければいいという実にシンプルな内容だった。

 

 

話を聞いて私はやる気になっていた。

すると山口さんは、とりあえず今日も仕事あるから一緒に行ってボスに会って話を聞いてみるといいよ、というので私はそうすることにした。

 

 

そうこうしているうちに休憩時間が終わり、頭も心もいったんシーのことに戻さなければならなかった。

入社式も終わり、配属先の先輩トレーナーさんが迎えに来てくれて、コスチュームのサイズ合わせや、ロッカーの場所を教えてくれた。

そして次の出勤日からいよいよトレーニングがスタートするというところで初日は終わった。

 

そしてその足で私は山口さんとバスの案内係の仕事場へ向かった。

場所はランド側にあるのでシーのほうから歩いて10~15分の道のりを私たちは歩いた。

それからランドの外にある、かわいらしいあずまや風の白い小さな小屋に通された。

山口さんはボスに事情を説明してくれ、ボスは私に仕事内容や出勤日のことを話してくれた。

ボスもほかの従業員の方もみんな気さくで、「大丈夫だよ~簡単だから~」と声をかけてくれた。

仕事内容、仕事場所、一緒に働く人、すべてが満足だったので私は働く決心をした。

一応形式として面接をしなければならないので、面接日と時間を言い渡され、その日は帰った。

 

 

シーでの3つの配属先と、夜はバスの案内係。

しかも終電で1時間半かけて家に着く頃は12時半過ぎになる。

それからまた朝は7時ごろの電車に乗ってシーへ出勤する。

今考えると、怠け者でのんびりな私には考えられないほどパワーに満ちていた時期だった。

たぶん若さと、短期間ということが私をやる気にさせていたのだろう。

先の見えない期間ならとてもできそうもない。

 

でもその後の話を先に言うと、シーでの仕事はクリスマス期間の短期要員なので、クリスマスが終わると契約が切れて終了したが、バスの仕事は大学に入る4月ぎりぎりまで続けた。

年明けは、大学が始まっても午前中働ける場所を見つけて(夜間の大学なので)そこで働らき始めていたが、「空いてる時だけでもいいから」とボスに言われていたので、地元でのバイトがないときはバスの仕事をやらせてもらっていた。

そして約束通り、大学入学とともに、バスの仕事も辞めたという流れだった。

 

 

バスの仕事のおかげで大学の学費を少し賄えることはできたし、いろいろな出会いがあり、いろいろな経験をさせてもらえた。

山口さんとの出会いに本当に感謝している。

彼女と入社日で話さなければ、バスの仕事はしていなかっただろう。

そういう意味でも、一回目の入社日に頭髪で不合格になってよかったと心から思う。

私が先に入社していたら、山口さんと仲良くなっていたかは分からない。

人生には偶然はなく、すべて必然なのだと強く感じた出来事の一つである。

 

 

 

今日の話はここまでにします。明日こそシーの仕事を書いていきます。

今日も読んでくれてありがとうございます!