ディズニーシーキャスト時代⑤3つの配属先
ブログ生活11日目
キャスト時代のことを、こんなにシリーズのように書くつもりではなかったのだが、書いているうちにいろいろなことが思い出され5話目に入ってしまった。
昨日はディズニーシーでの入社式と同時に、パーク外でのバスの案内係の仕事を始めた怒涛の掛け持ち終電生活が始まったことを書いた。
今日はその続きからである。
シーでの初出勤の日、私はまだ着なれないコスチュームに身を包んで配属先に向かった。
ここまでの流れはランド時代と同じなので滞りなく進められてきたが、職種が違うこともあり、ここから先は未知の領域である。
マクダックスデパートメントストアに着き、一通り挨拶やらが終わると、先輩トレーナーの方について仕事の説明を受けた。
短期アルバイトの仕事内容は、品出し、お客様の接客、商品陳列といった簡単なものである。
商品の棚がスカスカにならないように店内を見て回り、空いていたら補充する。
物を売るお店ならどこでもやっていることだ。
その他は乱れているところがあったらきれいに並べ、お客様に何か聞かれたらお答えする。
シンプルかつ単純作業なのですぐに覚えられた。
しかし、マクダックスはシーの中で2番目に大きいお土産屋さんだ。
商品の場所を覚えることと、在庫置き場でその商品を見つけ出すことに初めは苦労した。
平日は割とのんびり(むしろ暇なくらい)品出しでき、出す商品がないときは店内をうろうろして場所を覚えたり、どういった商品か用途を確認する余裕もある。
そして先輩方も「わからないことあったら何でも聞いてね」とニコニコ優しかった。
しかし、土日は年末のバーゲンセールよりもすごい。
満員電車のおしくらまんじゅう状態である。
そして平日の比ではないほど商品の減りが半端ない。
在庫倉庫から箱に商品を詰めて店内に出ると、棚に入れる前にみんなガンガンとっていく。
そして再び倉庫に踵を返しまた入れなおす。
さらに一歩でも店内に出ると、右や左や後や前から「すみません」とお客様から声がかかる。
まるでワイドショーで取り上げられた有名人が、記者に怒涛の如く取材されるような感じで次から次へと声をかけられる。
初めの頃は何か聞かれても答えられることが少なかったため、お客様から質問されることを一番怖がっていた。
「ああ話しかけられませんように!」と情けなくもそう願っていた。
これが平日ののんびりした時なら先輩方に聞くこともできたが、この満員電車のような渦中では手の空いている人なんて誰もいない。
なんとか先輩から聞きだして、お客様のところへ戻っても、私が遅いせいか、そのお客様はもういない・・・という悲しい結末も度々あった。
また最初のころは質問の回答に必死で、質問をしてきたお客様のお顔を忘れてしまうということが何回かあった。
先輩に聞きに行ってるうちに「あれ?どんな方だったっけ?」と分からなくなってしまうのだ。
もしかしたらそのお客様は待っていてくれたのかもしれないのに、私が分からなくなってお答えできなかったこともあった。
なのでそれからはなるべく服の色とか、身につけているものを見てから先輩に聞きに行くようにした。
私自身はいたって真面目で必死なのだが、心の中はお客様の特徴を何度もつぶやいて忘れないようにした。
「ミッキーのカチューシャつけてるおっさん、ミッキーのおっさん…」
「ヒゲでハゲの赤いセーター…ヒゲでハゲの赤い……」
という具合に結構ひどいネーミングをつけていた。(本当にひどい)
しかしあの一瞬の状況下で特徴を覚えるとなるとこうなってしまう。
「少し頭の毛がお薄くて、おひげを蓄えている赤いセーターの紳士」
なんて思ってられない。
「ヒゲとハゲの赤いセーター」なのである。
そしてヒゲでハゲの赤いセーターのお客様ところへ戻り、笑顔で「お客様、お待たせいたしました!」と言うのだから怖いものだ。
ヒゲでハゲもそんなネーミングも付けられているとは知らず「ありがとう」と喜んでくれ、私も「行ってらっしゃい」と手を振るのである。
マクダックスでの仕事ぶりは大体こんな感じで過ぎていった。
そしてある程度慣れて頃に思ったことは「やっぱりブルーバイユーのほうが全然厳しいや」ということ。
言葉遣いをたびたび指摘されることもなし、土日は大変だけど、平日はお客さん目線でお土産やグッズを見れる余裕もある。
割とマイペースに行動できるし、私が最も苦手とする制限や制約がないことが良かった。
そしてマクダックスの仕事を一通り覚えると、今度は二つ目の配属先、スチームボートミッキーに連れていかれた。
今日はここまでにします。
明日はスチームボートミッキーでの体験を書きたいと思います。
今日も読んでくれてありがとうございます!