三日月レモンのちょこっとエッセイ

絵や絵本を描いて暮らしています。絵本作家になって作品を作り続けることが目標です。日々の思い、感じたこと、体験したこと、過去のこと、そんな何気ないことを書き綴っていきます。

むちゃくちゃ失礼な話…だけど世界一の画家!

 

ブログ生活21日目

 

前々回、「まる子と呼ばれて」というブログで「子供のころに見たものが絵に影響を与えている」という話をした。

書き終えてから、ジブリ映画の「耳をすませば」の背景を手がけた画家の井上直久さんが「僕の絵は、子供のころに見た茨木の景色ばかりなんだ」と言っていたのを思いだした。

というのも私は井上直久さんの絵が大好きで、彼の講演などのイベントも何度か行ったことがある。

・・・これから書くことはむちゃくちゃ失礼な話・・・ということを先に断っておきたい。

 

何年か前、井上直久さんの講演会が大阪の茨木市(井上さんの出身地で、茨木市にちなんで「イバラート」という幻想世界を描かれている)で開催されると知り、私は早速申し込みをした。

そして当日、講演30分前に会場に着くとホールに井上さんの原画が十数点展示されていたため、開始時間まで私は絵を鑑賞して過ごすことにした。

気が付くと横に初老の男性の方がいて、何となく見るペースが同じで、二人で一枚の絵を見たり、次に進むとその男性も進んで…という感じの時間がしばらく流れていた。

「ああ、このおじいさんも井上直久さんが好きなんだなぁ」と頭の片隅でひそかに感じていた。

しばらくするとスタッフの方が小走りでこちらに近づいてきて

「あ、先生そろそろお願いします」と言ってきた。

「先生?」と私はあたりを見渡した。

先生って誰のことだろと思っていると、さっきまで一緒に鑑賞していたおじいさんが「あー、はいはい」と言ってスタッフの方と一緒に行ってしまった。

「え?!あの人が井上直久さんなの?!!」と私は声に出てしまう勢いでビックリ仰天した。

しかしその時は「まさか…ね」という半信半疑で、きっと別の会場でやっている他の講演会の人かもしれないという疑念も拭いきれなかった。

 

そして講演の時間になり、私は少しドキドキした気持ちで席についていた。

そして司会の方が「井上直久先生どうぞー!」と言って現れたのはまさにさっきのおじいちゃんだったのである。

私はズルッと席から滑り落ちそうになりながら、失礼を承知で書くと…

「やっぱりあの方だったんだ!オーラー全然ない!!」

(先生本当にごめんなさい!!)・・・と思った・・・

 

そしてまた次の年、井上直久さんの絵を描きながらのトークイベントという催しがデパートで行われていたので母と一緒に行ってみることにした。

私はもうどんな方か知っているので驚きはしないが、井上直久さんは例によって会場のお客さんのように普通にその辺を歩き回っていた。

誰もこの方が井上直久だと気が付いていないのか、声をかける人もひそひそうわさしている人もいなかった。

そしてまたスタッフの方に声をかけられて井上さんが準備を始めた時あちらこちらで「え?あの人が井上直久なの?!」とひそひそと驚愕する声が聞こえた。

1回目の私とまるきり同じである。

その時一緒に来ていた母も同じように「え?あの人?オーラないね、普通のおじさんみたいだね」と何のためらいもなく言い放った。(本当にすみません・・・)

私も初めはストレートにそう思ったので「・・・うん」としか言えなかった。

 

 しかし本当はものすごい方なのである。

私は世界で一番の画家だと思っている。

 

 「イバラート」の世界観は言葉ではとても言い尽くせないほど壮大で、この世に存在するどんなに優美な言葉をすべてかき集めたとしてもその感動は伝えられないだろう。

私の部屋の壁はすべて井上さんの絵で飾らせていただき、いつもその果てしない雄大な世界から、いろんなパワーやときめきをいただいている。

 

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私の部屋の壁は全て井上直久さんのイバラートの絵

 

井上さんは絵を描いている時が一番リラックスしていると講演の時話されていた。

イライラしていると、奥様に「絵を描いたら?」と言われるほど、絵を描いている時はご機嫌になるそうだ。

そしてある時、「あんまりくつろぎすぎるくらいだ」という話を、知り合いに何気なく話したところ、一度脳波を調べさせてほしいと興味を持たれた。

井上さんは承諾して、ありとあらゆる脳波計をつけられた状態で絵を描いた。

すると驚愕の事実が判明した。

井上さんが絵を描いているときは人がリラックスしている状態よりもさらに上の、どちらかというと睡眠前のうつらうつらしている状態に近い脳波だということが分かったそうだ。

ほとんど寝に入るほどのあの気持ちのいい揺らぎの状態で絵を描かれているなんて驚きだった。

彼に感じたオーラのなさは(たびたびすみません…)、こういうリラックスした穏やかな人柄だからなのかなと思った。

威圧感を与えない、安らぎの人だから、あんな夢のような世界が描けるのだと私は思っている。

 

まだ井上直久さんの「イバラート」を見たことない人はぜひ見てほしい。

きっと絵からは癒しのオーラがあふれていて、リラックスできること間違いなしだと思う。

夢の世界にいざなってくれる、そんな素晴らしい私の大好きな画家の一人だ。

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