ちょっとブレイク!教習所に行ってた時の小話
ブログ生活30日目
現在「大学時代」のブログを書いているが、今日はちょっとブレイクして、教習所に通っていたころの小話を書こうと思う。
まだ仮免前で、教習所内で練習していた時の話だ。
その日あたった教官が、ものすごい厳格そうな、いかにも雷親父というような風貌の方だった。
「え、怖そう・・・」と思ったのが第一印象だった。
とにかく無口で、不機嫌そうで、威圧感のあるオーラを放っていた。
私はおっかなびっくり車に乗り込み、言われたコースを走らせていた。
右のカーブ、左のカーブ、30キロで走る直線道、坂道、をこなしたがその教官は一向に無口で何も言葉を発してくれなかった。
いつもの教官なら「ハイじゃあそこ曲がって、うん、いいよ、もうちょっとスピードあげてー」と逐一指示なり、やり方を教えてくれていたが、この教官は一向に無口なのである。
私は自分の運転がいいのか悪いのか、これで合っているのか間違っているのかわからずに、ただただ言われたコースをぐるぐる走り続けた。
そして何度目かのカーブを曲がったとき、その教官が地のように低い声で
「君は・・・」とようやく今日初めての声を発した。
「君はカーブを曲がるときどこを見ているんだい?」
怒られている!私とっさにそう思った。
「てめぇ、どこ見て曲がってんだよ!!」って言っているように聞こえた。
私は怖さを頂点に感じながらもどこ見て曲がっているか必死に考えた。
けれど緊張状態の中では冷静に客観視することもできずに、私は思わず
「ど、どこも見てません!すみません・・・!」と半ば泣きそうになりながら答えた。
するとその教官は少し黙ってしまった。
ガーン!なんて馬鹿な答えをしてしまったんだろう!あきれてるんだ、怒られるんだと思っていたその時、
「君、カーブ曲がるのすごくうまいんだよね。素質あるよ」と言った。
「へっ・・・?!」
私のそのまぬけな屁のような「へ」の言葉を最後にこの日実技練習は終わってしまった。
怖い人じゃなかった、むしろ一つだけを見抜いてほめてくれた・・・
その教官の去りゆく背中を見て私は技を極めた職人や、達人といったオーラを感じていた。
「すごいベテランなんだろうなぁ」と全く見る目が変わってしまった。
ところが、教習所の中に戻り、受付で次の技能訓練の申し込みをしていると、さっきの達人が事務の若い女の子にデレデレしながら話し込んでいるのが見えた。
一瞬にして達人のイメージは粉砕し、ただのスケベじじぃに降格した。
教習所に行ってた時の小さなエピソードでした!
おしまい