三日月レモンのちょこっとエッセイ

絵や絵本を描いて暮らしています。日々の思い、感じたこと、体験したこと、過去のこと、そんな何気ないことを書き綴っていきます。

人に言われたことを気にしなくてもいい理由の証明

ブログ生活46日目

 

専門学校に通っていたころ、色彩学という授業があった。

この授業の課題で先生に言われた言葉が私は長年引っかかっていた。

しかしそれは最近になって自分の中でようやく解決できた。

 

もしこれを読んでいる人で、誰かに何か言われたことでいまだに引っかかっていたり、気にしていることがあれば、「そんなものは全然、全く、完全に気にしなくてもいいこと」ということを証明しようと思い、ブログに書くことにした。

 

色彩学の先生に言われたきっかけの話から書くと、色彩学の授業で「ドレミファソレシドを色で表現してください」という課題が出た。

私は自分の感じる「ドレミファソレシド」をイメージして絵の具で塗った。

そして完成して提出すると、先生は

「なんでドがこんな色になるんだ?!やり直しなさい。ドはこういう色です」

と、先生は茶色っぽい色の色彩カードを私に見せた。

 

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「はい・・・」

と私は席に戻ったのだが、だんだん腹がたってきて、家に帰る電車の中では

『色彩感覚なんて人それぞれじゃん!先生が思う色にしなきゃいけないなら、なんで表現しなさいなんて言うの?』

と理不尽な思いでいっぱいだった。

結局その先生の授業では、先生好みの色・先生が提案した色に訂正した生徒は点数が高く、先生の気に入らない色・訂正しない生徒は悪い点数をつけられた。

私はそんなのおかしいと思い後者の側についたので、色彩学の成績はペケばかりつけられた。

 

それから約10年後、私は絵本作家という夢を叶えようと決意して、新たに絵本作家養成スクールやデッサン教室に通い始めた。

そこで「クマを擬人化してみる」という課題があり、先生に「クマはもっとこう描きましょう」という添削で返却された。

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「くまを擬人化する」という課題で私が実際に描いたくま

その時の私は絵本のことを勉強し始めで右も左もわからないので「こういうもんなのかなぁ」「絵本ではこうやって描かなきゃダメなのか」と”先生が言うんだからそれが正解なんだ”と思い込んでいた。

 

それからほかの先生にも課題作品を見てもらえる機会があったので、また違った視点で見てもらえると思い見てもらうことにした。

するとその先生は、私のクマと、添削してくれた先生のクマを見て、

「う~ん・・・僕はあなたのクマのほうがいいけどね。あじがあっていい」と言った。

 

私はこの時「あ、なぁんだ…」とある気づきが生まれた。

 それから3年間、課題や作品をいろんな先生に見てもらっているうちに、一つの答えにたどり着いた。

「みんな違うこと言ってる」ということだった。

 

世界中の人間と同じ数分だけ、感じ方も捉え方も価値観も違う。

A先生には酷評されても、B先生には絶賛される、C先生にはつまらないと言われても、D先生には面白いと言われる。

当たり前のことなのかもしれないけど、このことに気が付いてから私の中で先生の意見やアドバイスは「絶対正しい」のではなく、ただ一人の人間としての意見であり、鵜呑みにする必要も、気にして自分を変える必要も全くないのだと思った。

 

それまではむしろ「先生絶対説」のような思考があった。

”医者の言うことは間違いない””専門家が言っているのだから正しい”といった思考。

自分は「変だな」「そうは思わない」と思っているのに、自分より知識や経験がある人の説が正解だと思い込んでしまう。

しかしそれは正しいときもあるし、間違っている時もある。

 

大切なのは自分で考えて、自分で結論を出すということ。

意見やアドバイスは”絶対”ではないということ。 

 誰か一人の意見が正しいとか、正解ということはあり得ない。

自分に向けられた言葉から学んだり、取り入れたり、自分が目指したいものにプラスになることは大いに吸収したほうがいいし、するべきだと思う。

しかし、その言葉が自分の目指しているものではなかったり、ましてやその人の価値観や好みによる評価は「気にしなくていい」と今では思っている。

 

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1に焦点を当てることはない。

1を全世界にするはすることはない。

世界は、宇宙は無限の数の意見も答えも価値観もある。

それなのに1を全世界として自分の価値を決めつけてしまうことはないのだ。

 

誰の意見が正しい…とかない。

自分が目指しているものに届くようになればいいだけなので、「いいな」と思えばどんなアドバイスも参考にさせていただいて取り入れるし、「自分の目指したいものではないな」と思ったら取り入れないだけである。

 

 誰かに何かを言われても気にしなくていい。

そう言う人がいれば、そう言わない人は必ずいる。

自分にとって何が大切か、どこへ向かいたいか、何を望んでいるか。

それだけに集中していればいいと私は思う。

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