三日月レモンのちょこっとエッセイ

絵や絵本を描いて暮らしています。日々の思い、感じたこと、体験したこと、過去のこと、そんな何気ないことを書き綴っていきます。

蚊の王様

ブログ生活89日目

 

昨日は夕方から土砂降りの雨が降り、私の部屋に雨から逃れてきたように蚊が入ってきた。

「ああ、蚊がいるなぁ・・・」

と思ってはいたが、とくに気にも留めず仕事を続けていた。

しばらくして私の顔をかすめて目の前の壁に止まったので、特に気合もいれずに手でパチンと壁をたたいた。

・・・が、蚊は直前でするりと逃げまたどこかへ逃げて行った。

あらあら、失敗・・・なんて最初はのんきに思っていた。

しかしここからまさか夜中までこの蚊と戦うことになるなんてこの時は思ってもみなかった。

 

それからしばらくして私がパソコンを使っていると、また蚊がパソコンの上にひらりと止まった。

しかし、壁と違ってパソコンのふちでは叩きにくい。

そんな不利な状況であったが私は一応また蚊めがけて手を振り下ろした。

また、するり。

「むむ、この蚊・・・」

と2発外した事実は私のプライドが許さなかった。

と言うのも、私はボクサーばりに小さな虫も空中でシュッと捕まえられる特技を持っているのだ。

それもこれまでほぼ外したことがなかったので、2発外すということがちょっとショックだった。

蚊は私をおちょくっているのか、再び私の前をプ~んと飛び回り、今度は天井に張り付いた。

完全に打倒モードに入った私は、机にのぼり、丸めた新聞紙を片手に失敗した2発分の悔しさも込めて蚊を打った。

・・・また、するり。

「この蚊・・・!やりおる・・・!」

強い蚊だった。

たぶん蚊の世界でも名の知れた武将なのかもしれない。

蚊の王様なのかもしれない。

完全に私をおちょくっている。

「はははー!ざまあみろ!お前なんかにやられてたまるか~」

という蚊の声が聞こえてくる。

 

私は次なる手に出ることにした。

シカト作戦だ。

もうやつと戦うのはやめた。

仕事に戻り、ヘッドフォンをして、蚊の存在を忘れるに徹した。

そして夜。

いつの間にか蚊の姿も見えなくなり、もうどっかいったかなと思ってベッドに入って本を読んでいると、やつはまた現れた。

私の視線の先の本に飛び込んできたのだ。

手で握るようにつかまえようとしたけど、またするり。

蚊は私の攻撃をこれで4度かわしたことになる。

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「つ、強い。この蚊は本当に強い・・・」

それからついに蚊は捨て身の攻撃のように私の顔めがけて飛んできた。

黒い視界を感じ、私はとっさに自分のおでこをパチン!!と叩いた。

・・・蚊はようやく倒れた。

私の足にひらり、ひらりと落ち、それでもまだもぞもぞ動いていた。

完全に叩いたのにまだ動けるなんてすごい・・・と感心しながら、ティッシュ包んで蚊に別れを告げた。

自分で叩いたおでこがジーンと痛かった。

この蚊はただではやられまいとしていたのだろう。

どうせ死ぬならこの人間にもダメージをくらわせてやるという意気込みがあったに違いない。

 

蚊の中の蚊だった。まさに蚊の王様だった。

君の勇士は忘れない。

そしてブログのネタをくれてありがとう。

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