三日月レモンのちょこっとエッセイ

絵や絵本を描いて暮らしています。日々の思い、感じたこと、体験したこと、過去のこと、そんな何気ないことを書き綴っていきます。

私の恥と新たな挑戦

ブログ生活127日目

 

今回のブログはあまり人に言ってこなかった私の「恥」と、その恥に向き合うべく新たに挑戦することを書いていくお話です。

 

過去のブログにおいても何度か書いてきたことだが、私は高校生の時に「絵」の道に行くか、「心理学」を勉強するかで進路を非常に悩んでいた。

ここでは簡潔に書くが、結局18歳時にはデザインの専門学校に行き、卒業して2年後に心理学への興味も捨てきれずに働きながら4年制の夜間大学に行った。

心理学を勉強するとなると「カウンセラー」「臨床心理士」、はじめは漠然とこんな職業を思い浮かべていたのだが、心理学専攻の主な就職先に「精神保健福祉士」という聞きなれない職業があった。

精神保健福祉士って何だ?」

調べてみると、精神に障害がある人達の社会復帰を手助けしたり、必要な訓練を行ったりする、精神保健福祉の領域の専門的な知識や技術を持つ職業とのことだった。

精神科ソーシャルワーカーとも呼ばれて、アメリカでは弁護士と同等の職業とされてるおり、日本では1997年に成立したばかりの国家資格であるとうことが分かった。

心理学、精神医学、精神世界にとても興味のあった私は、『社会復帰や日常生活に必要な訓練の手助けをする』という具体的かつ明確で積極的な取り組みをするこの資格に憧れた。

しかし国家資格を受けるということは、受けるための条件というものがまずある。

「資格を取りたいので試験を受けまーす!」というわけにはいかない。

受験するためにはいくつかのルート図が存在し、それを満たしていていて初めて試験が受けられる。

簡単に言えば、「福祉系大学4年+指定科目履修」や「一般大学4年+一般養成施設1年」「実務経験4年+一般養成施設1年」などといったものである。(一例です)

私は働きながら通える福祉系の大学を探し、夜間でも福祉系大学の卒業単位がもらえる学校が見つかった。

もちろん「精神保健福祉士コース」がある。

まさに精神保健福祉士を育成する大学だった。

私は早速願書を出し、面接を受け、小論文を書き、22歳の9月より大学生生活をスタートさせたのであった。

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それから4年後。

無事に卒業し、ようやく国家試験の切符を手に入れたのに、私は国家試験に落ちてしまった。

その時の私は来年も試験に受けるつもりだったのだが、月日が流れていくうちに私の熱も一緒に流れてしまい、フェードアウトするように何となく試験は遠のいてしまった。

本当に情けない、根性のない、もったいない話なのだが、卒業と同時にとった社会福祉主事の資格だけで満足してしまった自分も確かにいた。

 しかし、ずっと心には「達成できなかった自分への背徳感」「逃げた自分への恥」「あきらめてしまった自分への不信感」のようなものがいつまでも残り続けていた。

逃げて楽をした代償に、私は自分への自信のなさ、自分を信用できない気持ちを受け取らざるを得なかった。

 

それから10年の時は流れ、今。

私はそんな自分から変わりたかった。

そしてもう逃げずに向き合おうと、もう一度国家試験に挑戦しようと決意した。

「受験資格はあるのだから、せっかくだから、持っておいて損はない資格だから、これから絵を続けていくために一つ安定的な仕事を持っておきたい、絵と精神保健福祉士の仕事を両立したい」

この10年ずっと考えてきたことだけど、ようやくその気になった自分に今少し安心し嬉しい気持ちになっている。

試験科目は17教科。

並大抵ではないことは十分承知している。

忘れている内容がほとんどだし、法改正がなされて変わった制度ばかりだし、新しい制度が目まぐるしい世界だということも承知しているつもりだ。

でも私は勉強したいという、今はそれだけだ。

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現代は誰でも精神障害を患ってしまう恐れのある時代だ。

精神疾患は何も特別なことではなく、誰しも、私だって患ってしまう可能性がある。

けれどそれは人間としてもはや当然とも言うべきことで、一時病にかかっていたって多くの人はまた復帰し、日常生活に戻っていける。

特別なことではない、誰もがその可能性のある、レッテルを張られる必要も、変な目で見られることもない時代がもうきている。

 

なぜ自分が精神保健福祉士に惹かれるのか。

もう一度考え直したとき真っ先にあることを思い出した。

大学3年生の時に行った実習先で、統合失調症を患っている男性が、就職支援活動の一環で開店前の居酒屋で掃除をするアルバイトをさせてもらっていた。

精神保健福祉士の先生と実習生の私が立ちあっていたのだが、汗水流しながら脇目もくれずに一生懸命掃除する男性の姿が私は忘れられないのだ。

磨き残しがないほどキレイに何度も床を磨き、まるでダイヤモンドを扱うように丁寧に隅々までトイレを掃除し、一点の曇りもないほど窓を拭き、懸命なそのまなざし、背中に私は感極まって涙が出そうだった。

人が懸命に働いている姿は本当に素晴らしいし、美しい。

真面目すぎるが故、優しすぎるが故、気が付きすぎるが故・・・というところもあるのだろう。

私も一般企業ではものにならなかった人間。

あのままいってたら私も何らかの精神疾患を患っていたかもしれない立場。

何かそんな私でも誰かの役に立てたら…という偽善者のような、高慢のような、お節介のような、甘い考えなのだろうが嘘偽りなくそんな気持ちがあるのである。

 

国家試験まで約1年。

来年の今頃に向けて絵と両立しながら勉強をしていこうと思います。

こうして人さまの目に触れていただけるだけで、弱い自分を律することもできると思って今回宣言のようなブログを書かせていただきました。

また試験勉強の経過も書いていこうと思います。

本日も読んでいただきありがとうございました!