素直に生きるということ②
ブログ生活134日目
※本日のブログは前回のブログ「素直に生きるということ」の続きです。
結局私は実習中に自己覚知を習得することはできなかった。
実習の終わりに毎回担当の先生に「今日はどう感じましたか?」と質問されるのだが、私は例によって優等生のような解答、いい子ちゃんのような解答をして逃げることしかできなかった。
当時の正直な気持ちとしては「つまらない」「早く帰りたい」「この実習に何の意味があるのだろう?」「なにこれ・・・?」といった、不満や落胆、早く逃れたい気持ちでいっぱいだった。
けどそんなこと担当の先生に言えない・・・
だから私はそれを隠して自分の気持ちではない虚偽の回答をし続けた。
そして病院実習は終わった。
結局よくわからないまま、なにもせぬまま実習はあっと言う間に終わったのだが、この自己覚知という対人援助技術は、まるで新しい分野を知ったような、雷に打たれたような衝撃があった。
なぜならば私はそれまで自分と向き合うなんてことをしてこなかったからだ。
それからの日々というもの、私は常に自分の内面や気持ちに目を向けるようにした。
自分が様々な場面でどう感じているか、何を思っているかを常に自分に問うようにした。
それはいいとか悪いとか、正解とか不正解はない。
ただ自分がどんな人間か知る。
自分がどう感じ、何を思い、どういうことに心が揺れ動くかをただ知る。
するといろいろな発見があった。
「ああ、私は嫌なんだな」「行きたくないんだな」「やりたくないんだな」「こうしたいんだな」という具合に。
・・・単純に嬉しかった。
自分の気持ちを知れること、そして気が付けることに。
まるでそれまで背を向けいていた「自分の心」が振り向いてくれたようなそんな気さえした。
余談になるがジブリ映画の「海が聞こえる」という映画の中でこんなシーンがあった。
協調性のないヒロインに対して、クラスメイトの女子が他の人のことも考えろ!と何人かで詰め寄るのだが、ヒロインはこういってのけた。
「自分のこと考えちゃいけない世の中ってどういう世の中よ?!世間が私のこと考えてくれるの?!」
自分優先でいい、自分のこと考えて当たり前、人間だれしも自分が可愛くて当然なのだ。
それはわがままとか自己中心的とかそういう次元ではなく、生存本能、防衛本能として備わっている当然の思考、反応なのだ。
だからと言ってもちろん何でもわがままに振る舞えばいいとか、自己中心的になればいいと言っているのではない。
協調性や調和の中でも、人とあわせたりゆずりあうべき場面でも、自分の気持ちを自分が知っているというのは、それを抑え込んで無視しているのとでは全然違うのだ。
自分の意見、価値観を知っていると、他人の意見、価値観も受け入れられるようになる。
『私はこう思う、僕はこう思う。そうなんだね、じゃあ両者がどちらにもいいようになるにはどうしたらよいかな?じゃあ私はこれは大丈夫だからやるよ、そうかじゃあ僕はこれができるからこうするよ』
こんな話し合いや、折りあいが最近はできるようになってきた。
文章で書くと簡単なことなのに私はずっとこれができなかった。
ただ相手の意見や都合に合わせていただけで、後から不満を抱いたり、自分で勝手に苦しんで我慢して、それなら一人がいいやと勝手に孤独を選んでいたのに、自己覚知をしてから「自分の考えや気持ち」の大切さ、そしてそれを相手にも伝える大切さ、そして何より相手も私の考えや意見を聞きたいと思っている、それを叶えたいと思っている、受け入れたいと思っていると知ることができた。
自分の意見や考えや気持ちを素直に伝えると相手とも全くわだかまりができない。
自分も後から不満を抱いたり、苦しんだり、いつまでも悶々としなくて済む。
回りくどい言い方をしないで素直に気持ちをそのまま伝える。
自分の気持ちを知る、必要な時には相手に伝える。
これだけで自分の中の世界が変わった気がしている。
寂しい、辛い、悲しい、腹が立った、ショックだった、楽しかった、感動した、嬉しかった!!
感情は大抵このくらいだ。
嫌味な言い方や、回りくどい言い方ではなくて、その根底にある自分の気持ちをまずは知る。
プライドや恥ずかしさもあるかもしれないけど、結局根底にある感情を表さないことには、自分にも相手にも伝わらないし、気が付けないし、分からない。
いろいろと遠回りするより一言、「悲しい」「寂しい」「嬉しい」と三文字ばかりの言葉を言うだけでものすごく変わる。
言われた方も納得ができる、理解ができる。
理解や納得ができれば解決策が見いだせる。折り合いがつけられる。
もちろん素直に言ったからといってすべてうまくいくわけではないし、何もかも解決するわけではないけれど、それを言う、相手に伝える、自分が知るということは、抑え込んでいるより、我慢しているよりずっとずっと苦しくないのです・・・!!
それは私が実際に体感してきたから言えます。
いつまでも不満を持ったり、それによって苦しんだり、ストレスになったりならない。
むしろ私は伝えられた、自分の気持ちを主張できた!という自信がつくし、自己肯定感が高まり、変に怖がったり、怖気づいたりということが少なくなりました。
いろいろな場面があったり、いろいろな状況があったり、そう簡単にはいかないと思う方もいるかもしれないけど、難しくしているのは自分であったりして、客観的に見れば実はものすごく近道がある簡単で単純なことのほうが多いように私は思うのです。
「素直に生きる」
もっとも単純で、簡単なことが大人には難しいのかもしれないけれど、自己覚知を知ってから自分と向き合うこと約10年…私が得た結論はここにあるような気がしています。
本日も読んでいただきありがとうございました!