三日月レモンのちょこっとエッセイ

絵や絵本を描いて暮らしています。日々の思い、感じたこと、体験したこと、過去のこと、そんな何気ないことを書き綴っていきます。

うつ病になりかけた職場③完結

ブログ生活140日目

 

※今回のブログは前回の「うつ病になりかけた職場②」の続きです。

 

うつ病になりかけた職場を辞めてから私はもう自分の人生どうしていいか本気で分からなくなっていた。

自分にできると思ってかすかな望みと大きな期待を持って挑んだ挑戦が粉砕したような気分だった。

しばらく悶々とした日を過ごしたが、もう世間体とか体裁とか気にして身の丈に合わないことはやめて、自分には何ができるか何が向いてるかを知るところから始めようと思った。

私は今まで他人から見た自分の評価ばかり気にしていた。

心の奥底ではやりたくない、好きじゃない、本当は逃れたい、楽しくないと思っていても「やらなければならない」「みんなやっていること」という妙な固定概念や強制概念に捉われていた。

みんなと同じことをしていればまともに見られるだろう、それに自分自身もみんなの輪の中にいると言った安心感がある…

かつての私はこの2つの理由だけで働いていた気がする。

 

そういった考えを払拭し、長い目で見た時に自分が幸せでいられる方法を探そうと思った。

一から探すとなると大変で遠回りなようだが、自分を偽って手っ取り早くその場しのぎに生きていてもまた同じことの繰り返しになると思った。

その足がかりとして、私はまず大阪市就労支援事業がおこなっている性格診断・適職診断を受けに行った。

客観的に自分を見る・知る必要性があると思ったからだ。

会議室ほどの場所で用紙に書かれた質問に記入をし検査を受けたのだが、その結果に私は面食らった。

ずっと働いてきた接客業への適性は全職種中ワースト2だった。

そして最も適性があるの1位はクリエイティブ、2位は研究職、3位は福祉・医療系だった。

自惚れているわけではないことは先に言っておきたいのだが、なんとなくこういう結果になることは薄々分かってはいた・・・

分かってはいたが、しかし実際に正式な検査でクリエイティブに適職があると診断されると少しがっかりと言うか、ため息の出る思いだった・・・

もちろん嬉しい気持ちはある。

絵やアートが好きでそういう学校にも行っていたし、好きなものを認められているようでもちろん嬉しい。

しかし「生きてゆく」「職業」「稼ぐ」といった現実問題になると嬉しくない。

厳しいからだ。現実的ではないからだ。楽ではないからだ。

この職種に適性があると言われたとたんまるで「なにもできない」「この社会で生きていく特に適性がない」 「生きる場所が限られている」と刻印を打たれた気さえする。

2位の研究職も想像するに黙々と一つのことに没頭できるという意味では私の得意とすることだが、理系ではないので現実的ではない。

3位の福祉・医療系は福祉系の大学に行っていたのでこれは現実味がある。

 

こうして客観的な検査を見ても分かるように、結局好きなものは変わっていないということだった。

高校生のころは絵の道に行くか、カウンセラーなど心理学を学ぶかで大いに迷ったものだ。

自分の原点はここにあるとこの検査で確信が持てた。

世間体や体裁なんて関係ない。

とにかく自分の声をよく聞いてやりたいことをしよう。

明日死んでも後悔しないように毎日を生きよう。

うつ病になりかけた職場を辞めて約3か月後、私はそう決心できるまでに心身ともに回復をした。

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そして私は検査の結果を参考に「例え稼げなくても、その道のプロになれなくても好きなことをしよう!」と腹を決めた。

デザインの専門学校を卒業してから約10年経っていたが再び私は筆をとった。

周りには「絵なんて売れるはずがない。年間に1枚でも売れたらいい方だ。しかしそんな人はほんの一握りだ。」という人もいた。

それももっともな意見で私自身も「そうだろうな」と思っていた。

けどいい・・・売れるとか売れないとかいい。

そりゃ売れたら認めてもらえているようで、あなたの絵が好きですよっと言ってもらえていることだから嬉しいだろうけど、それよりもただ描きたかった。

好きに描きたかった。

そうしてアートメーターという原画販売サイトに登録をして初めて絵が売れた時は本当に手が震えた。

ドキドキして喉がカラカラになったのを今でも覚えている。

 

・・・そしてそれから5年。

アートメーター以外も合わせるとありがたいことにこれまで120作品くらいの絵が売れた。

また、さらにありがたくうれしいことにお客様がお返事をくれたりコメントをくれたり、私の絵がお客様の家に飾られている様子を写真にとって送ってくれる人もいて、この時ばかりは本当に涙の出るほどうれしく、こんなに幸せでありがたいことはないと胸がいっぱいになる。

うつ病になりかけて仕事を辞めて人生が見いだせずに絶望していたころからしたら、私にとってはすごい奇跡のようなことである。

そう、奇跡のようなことなのである・・・!!

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そしてやはり高校生の時と変わらずに私は今でも絵を描いて心理学の勉強もしている。

好きなことは変わらない。

好きなことを知り、受け入れ、やり続ければいい。

それが自分の魂にもっともよいことだと思っている。

捻じ曲げることも、偽ることもしなくていい。

思うままに、素直に、望むように生きる。

そりゃ世間という眼鏡から見たらやはり私は社会のはみ出し者だろう。

不適合者だろう。甘えん坊で精神的に幼いのだろう。

しかし、ただ一つ確実に言えるのは、私は明日死んでも後悔しない。

「最後の5年でも好きなことやれて楽しかったな~幸せだったな~」と言えると確信している。

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最後に私が自分の道を見つけられなくて苦しかったときに光を差し伸べてくれた偉人たちの名言を書き記してこのシリーズのブログの完結としたい。

 

・『絶えずあなたを 何者かに変えようとする世界の中で 自分らしくあり続けること。それが最も素晴らしい偉業である。』by.エマーソン(アメリカの思想家)

 

・『1人1人に 天の使命があり その天命を楽しんで生きることが 処世上の第一用件である』by.渋沢栄一(日本資本主義の父)

 

本日も読んでいただきありがとうございました!