自分の絵を探す旅③高校で一番辛かった出来事編
ブログ生活109日目
※今回のブログは「自分の絵を探す旅 中学高校編」の続きです。
前回の中学高校編で、周りから辺と思われたくなくて自分を押さえて高校生活を始めたけど、素を出しても離れていかなかった友達のおかげで自信がつき、自分の好きなことに夢中になり始めた話をした。
しかしその高揚感はある出来事がきっかけで打ち砕かれることになった…という話からの続きである。
その出来事は私が立ちあげた演劇部の中で起こった。
初めての部会の日、文化祭が近いということもあり全員一致で文化祭で劇をしてみよう!ということになった。初日にして一気に部内の意気込みが高まったのを今でもよく覚えている。
ミーティングを重ねるごとに、演目、演者、裏方が決まっていき、文化祭までの日程や細かい調整まで順調に進められていった。
そして学校は夏休みに入った。
20名ほどの部員は私の期待以上に熱心に打ち込んでくれ、毎日のほど学校に来てそれぞれが役割に夢中になっていた。
「一致団結する」「みんなの心が一つになる」ってこのことだ!って肌身に感じるくらい充実・充足した毎日だった。
夢中で練習した2か月間が過ぎ、お芝居の完成度も日に日に上がっていき、文化祭までの残り数日は通し稽古をして仕上げていった。
他にも当日お客さんに配る集客用のビラを作ったり、ポスターを作ったり、今後の参考になるように観てくれた人に書いてもらうアンケートも作った。
・・・が、このアンケートがいけなかった。
いや、アンケート自体は悪くない。
何気なく書いた質問の項目がいけなかった。
『・誰の演技が1番良かったですか?』という項目。
先に言っておくと、私はこの時のお芝居で主役を演じた。
しかしそれは私が部長だからとか、私が主役をやりたいと言ったからではない。
読み合わせの時、台本に書かれている物語を読んでみて役の雰囲気で誰がどの役に向いているかで決めていったのだ。
どっしりかまえてて落ち着いている子には「お母さん役は○○ちゃんだよねー!」とか、クールな大人役には「きれいでスタイルもいい○○ちゃんだよね」といった感じである。
私はショートカットで空想好きという点からかよく「少年みたい」と言われていたので、主人公がカヌーに憧れる少年と言うだけで「これは絶対レモンちゃんだね」とあっさり主役に決まってしまったのだ。
(余談だが、この時のお芝居のことは過去ブログ「少年になった17歳の夏」に詳しく書いています。気になった方はぜひ読んでみてください。)
もちろん主役は出番が多い。セリフも多い。
そして私は小学生の頃からやりたかった大好きなお芝居への思いをこの文化祭にすべて注ぎ込む勢いだったので目がキラキラしていたのだろう。
いざ文化祭当日。
初日はあいにくの大雨で、朝から雷まで鳴っていた。
お客さんの入りは20名ほど。
それでも雨の中来てくれて、雷でセリフがよく聞こえなかったろうに、みんな最後まで観てくれた。
それから午後、2日目の午前、午後と天候の回復に合わせるようにお客さんの人数も増えていき、アンケート用紙も予想以上に集まり、最後には大きな拍手で幕を閉じることになった。
興奮と喜びと充足感の中、みんなで片づけをし、部員みんなでアンケートを読んだりしていた。
良かったところや、細かな裏方の計らいに気づいてくれたお客さんのメッセージが書いてあったり、全員がそれぞれに嬉しいメッセージを見つけて喜びあっていた。
しかし例の『・誰の演技が1番良かったですか?』の項目は私の演じた「ケンジくん」と書いてくれている人が多かった。
その場ではみんな「すごい」「レモンちゃん輝いてたも~ん」と言ってくれて私もすごく喜んでいたのだが、部員の中にそれをよく思わない人もいたのだ。
事件は文化祭が終わってから初の部会で起こった。
部会の時間になったので、教室の中や廊下にいる部員に「始めるよー」と声をかけていたとき、廊下に集まっていた4人にあきらかにシカトされたのだ。
「ん?」とは思ったが、そのまま教室に入ってきたので「まぁいいか」と思って、部会をスタートした。
議題は「次の目標をどうするか」ということについて話し合うことにした。
するとその4人が私だけに敵意を向けて一気に文句と不満を言いはじめたのである。
あの時廊下で集まっていたのはきっと前々から私に対する不満があって、それを今日言おうと話し合っていたのだろう。
演劇部のみんなは仲良くて団結していると思っていたので、私を含め他の部員も突然のことにビックリして驚いていた。
「え?なになに?なにが起こっているの?」という状況だった。
4人は遠回しに不満を言っているが、要するに私に対して「いい気になっている」「(アンケートで)一番人気があったからってなんだ」「目立ちやがって」ということらしかった。
「ああ、私はみんなが楽しく部活をしてくれているもんだと思ったけど、そうじゃない人もいたんだな・・・」と心の底から悲しくなってしまった。
私は自分の好きなことやっていて楽しくて、嬉しくて、みんなも笑顔だったからそれがまた更なる喜びだったけど・・・ああ・・・アンケートに「誰が一番よかったか」なんて書かなければよかったなぁ…なんてことを、怒られている間考えていた。
私はこんな風に数名によってたかって責められたことがなかったので、悲しいのと、怖さのあまり何も言えずに黙り込むしかできなかった。
その4人の中には1年生の時から仲良しのAちゃんもいた。
それがまたショックだった。
昨日も一緒にミスド行って笑いながらドーナツ食べたのにな…
そんなことを考えていたら私はだんだん自分が泣きそうになるのを感じた。
「いかんいかん、泣いたらダメだ!」
と必死に涙をこらえようとした。
しかし涙というものはこらえようとすると声が震えるのだ。
私の声の震えに他の部員も気がついてみんなが私を見ていた。
恥ずかしいし、辛いし、出来ることならその場から逃げたかった。
しかし、その時!
4人の声の響く教室でただ一人「待った!」の声を上げてくれた子がいた。
Yちゃんである。
・・・長くなるので今日はここまでにします。
明日はただ一人のヒーローのお話です☆
今日も読んでくれてありがとうございました!