三日月レモンのちょこっとエッセイ

絵や絵本を描いて暮らしています。日々の思い、感じたこと、体験したこと、過去のこと、そんな何気ないことを書き綴っていきます。

大学時代③精神病院実習の始まり

ブログ生活28日目

 

今日も引き続き大学時代の続きを書いていこうと思います。

 

3年生になり、精神保健福祉士コースの生徒は6人だけとなった。

昨日も書いたように入学時には40人いたクラスも、月日を増すごとに1人、2人、とやめていき、最終的に残った6人で残りの2年間を乗り越えることになった。

3年生は一番苦難の年だった。

入学時からみんな3年生になることを恐れていたし、この2年間不安や恐怖と言ったものがずっと付きまとってきたように思う。

そう、3年生は「病院実習」があるのだ。

精神保健福祉士コースの実習先は主に精神病院や施設となっていた。

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実習先はランダムに学校側が決定する。

希望は出せない。

ただ、自宅から半径何キロ以内とか、通える範囲にしてくれるほかは黙って決められた実習先に通うしかない。

実習のパターンは2通りあって、1つの実習先に1カ月通うか、2つの実習先に2週間づつ通うかのどちらかで、それも学校側が決定するのでどのパターンになるかは発表されるまでわからない。

 

とにかく発表までの日にちがとても憂鬱だった。

「○○病院は最悪だ」とか「○○施設は厳しい」とかある種のうわさが学校中でささやかれていたし、先輩たちの中に実習中に逃げ出した人とか、毎日泣かされたという話も耳に入ってきてたので、私達新3年生はまるでこれから処刑を待つ者のように緊張と不安の日々を送らなければならなかった。

 

とくに「Z病院(イニシャルは関係ありません。仮名です)」は実習先としては最悪と有名なところで、みんなZ病院以外ならどこでもいいです!と神様にお願いする始末だった。

 

そして実習先の発表を控えたある日、4年生が実習体験を語ってくれる授業を行ってくれた。

未知の世界に行かなくてはならない3年生としては非常にありがたい機会だった。

たった6人の3年生を前に、これまたたった5人ほどの4年生が、自分の行った実習先とそこでの体験を話してくれた。

こういうことをしていた、とてもいい指導者がいた、ここではこう過ごした・・・と毎日の実習生活を赤裸々に語ってくれ、私達3年生は何一つ言葉を聞き洩らさないように真剣に聞いていた。

ついにある一人の4年生が噂の「Z病院」に行った話をし始めた。

そして噂通りそこの職員に「放置プレイ」されたらしく、何の指導も、何の体験もなく2週間が終わったと語っていた。

その時一緒に聞いていた先生も(先生は現役の精神保健福祉士)「Z病院は本当にいい話を聞かないわね…」とつぶやき、私達6名の誰もが噂が確信に変わる瞬間に立ち会ってしまい、「Z病院だけは当たりませんように!!」と強く祈った。

 

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私達はあくまでそれぞれの施設や病院に勉強させてもらいに行っている。

働くでも雇われるでもないので、こちらが実習費というものを支払わなければならない。その金額は10万円だ。

病院や施設は通常の業務のほかに、学生の面倒を見なければならないので無償でなんか引き受けてくれない。

しかし10万円の実習費をもらうために、やたらに学生を引き受けて何も指導せず放置しているような施設や病院も中にはあるのが現状なのだ。

学生としても10万円も払う以上、身になることや学びや体験を吸収したいのだが、実習先を選べないことと、Z病院のような噂のあるところもあるので、その日を迎えるまでは気が気でなかった。

 

そしてついに実習先が発表になる日を迎えた。

私は友達と二人で事務課に向かい、名前を告げて封書を受け取った。

私の実習先は・・・・・

 

「Z病院」2週間

「K就労・自立支援事業所」2週間

 

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私は凍り付いてその瞬間息もしていなかったし心臓も止まっていたように思える。

 

私は昔からこういうことがよくある。

貧乏くじを引きやすいのだ。

嫌だと思っていると必ず来る仕組みになっている。

 

そして私の実習生活が始まった。

今日はここまでにします。

続きは次回、本日も読んでいただきありがとうございました。